yn2011's blog

技術メモ

2022 年を振り返る

仕事

今年は*1 React Native (Expo) を利用したネイティブアプリ開発のプロジェクトで、主に Expo を利用した基盤整備を担当していた。具体的には

  • GitHub Actions で EAS Build / Update をフックする処理を書いたり
  • AWS Lambda でビルドされたアプリを S3 に転送する非同期処理を書いたり
  • アプリがプッシュ通知を受信できるようにしたり
  • Config Plugin と呼ばれる機構の上で TypeScript を使って Swift / Javaメタプログラミングをしたり

自分は Web のフロントエンドエンジニアなのだが、React Native で画面を作ること 以外 の様々なことをやっていた。

そもそも自分はネイティブアプリの開発経験はなく、当然 Expo なんて聞いたこともないような状態からのスタートで、技術的にはかなりチャレンジングでハードだった。それに加えてプロジェクト固有の技術的な制約というか高難度の課題が多数あり、まあ何というか一言で言うとやばかった。

また、基盤整備と並行してチーム向けの翻訳業みたいなこともやっていた。英語で書かれた公式ドキュメントを読みながら手を動かし、分かったことを社内向けに整理して書いた。開発環境の構築手順だとかローカル環境で実機端末を利用する方法だとか、そもそもの Expo に関する概念の説明とかなんかとにかく色々書いていた気がする。自分は英語のリーディングには慣れているとはいえ、毎日のように長時間英文を読んで試行錯誤するのはそれなりに負荷の高い活動だった。

あとは Four Keys に触発されてチームの生産性を定量化するシステムを突貫で整備したりとかもしてた。取り組みの詳細は会社のテックブログにも投稿した(GitHub Actions で開発リードタイムとデプロイ数を計測してダッシュボードを作っている話)

技術面以外でも、一緒に働くのが初めてのチームメンバーがほとんどだったり、社外の人も多く入っていたりで新しいことが多く大変だった。

色々な面で分からないことだらけの中、とにかく神経を集中させ自分が積み上げてきた能力と経験を全力でぶつけ続けるような毎日だった。なんとかある程度の成果を出すこともできたと思うし、その過程で更に成長することもできたんじゃないかと思っている。

ただ、良い面ばかりではなくて、今から振り返るとこれは自分にとってそれなりの痛みを伴う身を削るような挑戦でもあった。この経験から今後長くエンジニアとしてのキャリアを続けるために必要な様々なことを身をもって知ることができたと思う。具体的には

  • 生活習慣(健康管理)
  • 仕事と私生活の切り替え(あるいは仕事との距離感)
  • 仕事の選び方

等を見直す必要があることを痛感した。

これまでの自分は心身の健康についてあまりにも恐れを知らなすぎたのかなと思うし、今思うとその無鉄砲さ(あるいは全能感)と純粋さが”若さ”というものの一面なのか、とも思ったりした。この業界で自分よりも長くキャリアを積んでいる(生き残っている)シニア勢の凄さは必ずしも技術力だけではなく、むしろ長期間に渡り仕事を継続できている持続性にこそあるのだという風にも考えるようになった。これはエンジニアに限らずどんな職業でもそうなのかもしれない。

今年の仕事について総括すると、色々と複雑な思いはありつつも、育児が始まる前という仕事にかなりのリソースを割り当て可能な最後の時期に、自分の限界に挑戦するような(したいと思えるような)機会を得ることができて(そして20代という人生の中では比較的早い段階で、適度に怪我をして学ぶことができて)良かったんだと前向きに捉えている。勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害その身に至る。

育児

8 月に息子が誕生した。これに伴い 9 月から育児休業休暇を取得していて 2023 年 4 月に復帰予定。

育児の方はそれなりに不安があったが、何とか基本的なお世話スキルを習得して対応できていると思う。

自分はこれまでの人生で赤ちゃんを抱いたこともほとんどなく、自分よりは妻の方がスキルが上だったので、モブプロの知見を活かした "モブお世話" をすることで知識の獲得やお世話内容の認識を揃えた。今はオムツ替え・寝かしつけ・ミルク・入浴・着替え・保湿等ほぼ全ての育児タスクを自立して行うことができるようになっている。

あとはエンジニアの育児っぽい話で言うと、育児記録アプリ「ぴよログ」を利用して息子の行動ログを取っているのも良い取り組みと感じている。記録の対象は例えば、入眠時刻、排泄、ミルクの飲量(と時刻)などそういうもの。蓄積したデータの分析まではしていないが、単純に息子の健康状態のモニタリングや夫婦間での共有として役に立っている(今日は食欲がないとか、💩してないとか)

最近の自分の生活はこんな感じ

8:30 起床・散歩
9:00 朝飯
9:30 コーヒー、日経新聞を読む、株式市場の動向チェック
11:00 読書
12:00 昼飯
13:00 NHK の列島ニュースを視聴。特に意味はないが、全国のローカルニュースを見て和む。
16:00 息子散歩、買い物、妻に育児を任せられる場合は自分の時間(技術の勉強、読書、ジム、昼寝等)
18:30 夕飯
19:30 風呂
20:30 株式市場の振り返り・個別銘柄の研究やポートフォリオ見直し
21:00 息子寝かしつけ、ギター練習
22:30 就寝

新生児や乳幼児は昼夜の区別がないらしいが、今は夜 22時~6時頃までは連続して寝てくれるようになり大人の側の生活も安定してきた。

スケジュールだけ見るとわりと優雅な生活を送っているように見えるが、常時割り込みで発生するお世話タスクを処理しながらなので見た目よりはずっと忙しい。1回の授乳や寝かしつけは 30分以上はかかるし、常に割り込みの可能性があるので、ポモドーロテクニックで言う 1ポモ(25分) 完全に集中する時間を取るのも工夫しないと難しい。なので、集中したいときは「これから作業する」と妻に宣言して育児は全て任せて、自分にも声をかけないようにしてもらっている。逆に普段は割り込みが入る前提で、読書とか録画の視聴とかそこまで中断がストレスにならないことをするようにしている。

あと、子供は可愛いです。

技術

時間を見つけて自分が興味のあるテーマを掘り下げて学習している。例えば

  • Next.js 13 の /app の検証として、新しいキャッシュや ServerComponent の取り扱い方を試したり
  • デザインシステムの概念について知るために「Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド」を読んだり
  • HTML の学習のために「HTML解体新書」を読んだり
  • Chakra UI のコードを読んで基本的なコンポーネントのお手本実装を学んだり

今年の業務ではほとんど Web のフロントエンドを担当していなかった反動もあり、それなりに楽しくやれていると思う。

株式投資

2021 年にポジションを取ってからは塩漬け状態で特に何もしてなかったのだが、育児中に並行してできることがスマホで読書をすることぐらいしかなくて、色々な投資本に目を通していった結果また個別株投資をやりたくなってきたので再開した。

まずは去年から -30% 近くの損失になっていた銘柄を全て損切りすることから始めた。よく、株の初心者は損切りできないから致命傷を負うという話を聞くことが多いが、まさに自分がそうで、「そのうち戻すんじゃないか」とか「損切りしなければ損失ではないんだ」みたいな考えに陥って塩漬けにしていた。こういう冷静に考えると当たり前のことが、いざ自分の身銭で相場を張るとなかなかできないものなんだと痛感させられる。

勇気を出して損切りを終え、これまでのファンダメンタル偏重のやり方を止めて色々な手法を試してみることにした。『ズボラ株投資 月10万円を稼ぐ「週1ラクすぎトレード」』という本を読み、テクニカル指標で大型株のトレードをやってみたり、『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』や『忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』を読んで、小型成長株のモメンタム投資をやってみたりした。11・12 月はこのモメンタム投資の手法中心でプラスのリターンを得られている。

個別株投資を再開してから、以前に停止していた日経新聞の購読を再開した。前よりも政治や経済のニュースを株価の動きと関連付けて読むようになったので記事の理解度が上がり、興味を持てる記事も増えた気がする。個別株投資はリターンのお金よりも経済だったり企業の財務指標だったりを理解するのに有効な取り組みだと感じる(もちろんちゃんと自分で考えて投資をしない人にとってはただのギャンブルでしかない)

個別株投資をする一方で、2022 年はつみたて NISA で S&P500 の投資信託を毎月約 3 万円分購入し上限の40万円分を使い切ることができた。今年は S&P 500 が年初来 -20 % と大きく下げているので積立を始めるには去年・一昨年よりはむしろ良い環境だった。市場の景気後退懸念は依然として根強いので、あと数年は仕込み時と言えそう。

来年のつみたて NISA は S&P500 に加え新興国の指数連動型へも 20% 程度資金を分散させるつもりでいる。

世界の企業時価総額ランキングの30年間の変遷を見ると、80年代後半(日本のバブル期)には日本企業が多く入るなど、年代によって企業の入れ替わりはそれなりにありつつも米国企業だけが一貫して多く上位に残り続けていることから米国はやはり投資先として外せない一方で、最近は中国などの新興国のテック企業がちらほら上位に入るようにもなってきているという傾向や、人口動態の予測の面から新興国(特に中国・インド)に長期投資するのも合理的なのではないかと考えて 20% 程度資金を振り分けようと思った。

そういう意味でオルカンもありかと思ったが、米国以外の先進国が 30% ぐらい入っていて新興国の割合が少ないので選択肢からは除外した。先進国といっても例えば日本から今後10-30 年間の間にグローバルで競争優位性を持つ大企業が誕生するか?と言われるとあんまりイメージがつかない。やっぱり米国は特別だと思う。

今後、つみたてNISA の年間投資上限額が 40 万円から 360 万円まで引き上げられる方向で調整されているという報道もあり、そうなると経済的自由の達成にはますます入金力の重要性が上がるので、自分の年収を上げていかないとなーとぼんやり思いながら毎月転職ドラフトには参加している。

読書

技術系、投資本以外だと、

  • 「バブル―日本迷走の原点―」
  • 「日本の国会 審議する立法府へ 」
  • アベノミクスが変えた日本経済」

等を読んで政治・経済の勉強をしていた。後は司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズとか「竜馬がゆく」なんかも3巻ぐらいまで読んでいた。とにかく育児と同時にできることが読書だけなので、興味に任せて色々読んでいた。

ギター

今年も本当にちょっとずつだが練習していた。GT-1 というマルチエフェクター兼オーディオインターフェイスを購入し、PC 上で LINE 録音できるようにして自分の演奏の下手さに絶望したり、思ったよりはできてるじゃんと思ったりしていた。God Knows... のイントロは未だに弾けません(特にプリングの速度不足)

2023 年

まずは自宅近くの保育園に受かってくれマジで頼む。今年は出生数も少ないし 0 歳入園だし 1 番入園確率高いはずなんだがどうなることやら。

仕事の方はこれだけ長期間の休業は初めてなので無事に社会復帰できるかどうかも心配だが、家庭とバランス取りながら無理ない感じでやっていきたい。

まあそんな感じで 2023 年よろしくお願いします。

*1:といっても育児休暇に入る9月までだが